営業資料が「伝わらない」最大の原因は、資料そのものではなかった

こんにちは、エージェンテックのミヤザキです。

「営業資料はしっかり作っているはずなのに、なぜか商談がうまく進まない」
「説明した内容が、相手に正しく伝わっていない気がする」

営業の現場では、このような違和感を抱えている方が少なくありません。
提案書やサービス資料を見直し、デザインを整え、スライド枚数を調整しても、成果が大きく改善しない。その結果、「もっと分かりやすい資料を作らなければ」と、資料そのものに原因を求めてしまうケースも多く見られます。

しかし、現場を丁寧に見ていくと、営業資料が「伝わらない」本当の原因は、資料そのものではないことがほとんどです。

本記事では、営業資料が伝わらなくなる構造を整理した上で、なぜ多くの企業で説明の質にばらつきが生まれてしまうのか、そしてその課題をどのように解決すべきかを解説します。

なぜ営業資料は「伝わらない」と感じられるのか

まず前提として、多くの企業の営業資料は、決して出来が悪いわけではありません。
情報は整理され、サービスの特長や導入メリットも一通り盛り込まれています。

それでも「伝わらない」と感じられるのは、次のような場面が積み重なっているからです。

  • 説明する人によって、話す内容や順番が違う
  • 同じ資料を使っているのに、商談の反応に差が出る
  • 資料を送っただけでは、意図したポイントが理解されない

これらはすべて、資料の完成度ではなく、説明の設計不足に起因しています。

営業資料は、本来「説明を補助するための道具」にすぎません。
どこをどう説明し、どの順番で話し、どこを強調するか。その前提が共有されていなければ、資料は単なる情報の集合体になってしまいます。

「伝わらない営業資料」に共通する3つの構造的問題

営業現場で起きている問題を整理すると、多くのケースで次の3つに行き着きます。

説明内容が人に依存している

営業担当者それぞれが、自分なりの言葉で資料を説明している。一見すると柔軟で良さそうに見えますが、実際には説明の質が大きくばらつきます。

  • ベテランは要点を押さえて説明できる
  • 新人はスライドをなぞるだけで精一杯
  • 重要な背景や意図が省略されてしまう

結果として、「誰が説明するか」によって、同じ資料でも伝わり方が変わってしまいます。
これは営業担当者の能力差の問題ではなく、説明を仕組みとして持っていないことが原因です。

資料に「話す前提」が組み込まれていない

多くの営業資料は、「読む」ことを前提に作られています。しかし実際の商談では、「話す」ことが前提です。

  • なぜこのスライドから話すのか
  • どの順番で説明すべきか
  • どこを言葉で補足するのか

こうした情報は、資料の中には明示されていません。そのため、説明はどうしても担当者の経験や感覚に委ねられてしまいます。

特に近年、この問題はオンライン商談の増加によって、より顕在化しています。

対面であれば、表情や反応を見ながら説明を補足できますが、オンラインではそうはいきません。
限られた時間の中で、資料に沿って説明を進めるため、「どこをどう話すか」が整理されていない資料ほど、説明が散漫になりがちです。

また、商談前に資料を事前送付するケースも増えていますが、このときも同様の課題が生じます。
営業側は「この部分を説明する前提」で資料を作っていても、受け手はその意図を知らないまま資料を読むことになります。

結果として、

  • 重要なポイントが読み飛ばされる
  • 本来伝えたかった価値が伝わらない
  • 商談当日に説明のやり直しが発生する

といったズレが起こります。

これは、資料の内容が悪いからではなく、説明とセットで初めて成立する資料設計になっていることが原因です。
言い換えれば、「話す前提の資料」を「読む前提」で使ってしまっている状態だと言えるでしょう。

説明の標準が存在しない

「この資料は、こう説明する」という共通認識が社内にない。
これも非常に多い問題です。

資料は共有されていても、

  • どこをどう説明するか
  • どの表現が正しいのか
  • 何を必ず伝えるべきなのか

といった“説明の正解”が定義されていないため、説明が属人化します。
結果として、営業教育や引き継ぎのたびに、同じ説明が何度も作り直されることになります。

資料を直しても、問題が解決しない理由

ここまでの話を踏まえると、営業資料が伝わらない原因は明確です。
問題は、「資料の出来」ではなく、**「説明が設計されていないこと」**にあります。

にもかかわらず、多くの企業では次のような対応を取ってしまいます。

  • スライドを増やす
  • デザインを刷新する
  • 情報量を減らす

これらは一時的な改善にはなっても、根本的な解決にはなりません。
なぜなら、「どう説明するか」という前提が変わっていないからです。

解決の考え方:「話し方」を固定化する

営業資料の伝達力を高めるために、本当に必要なのは、
資料を直すことではなく、「話し方」を固定化することです。

ここで言う「固定化」とは、

  • 説明の順番
  • 使う言葉
  • 強調すべきポイント

を、誰が説明しても同じになるように整理することを指します。

重要なのは、「話し方を縛る」ことではなく、
成果が出やすい説明を共有財産にするという視点です。

営業資料は「説明するもの」から「説明してくれるもの」へ

営業資料の役割は、確実に変わりつつあります。

これまで

  • 営業担当が話す
  • 資料は補助

だったものが、

これからは

  • 資料自体が説明する
  • 人は補足に回る

という形にシフトしていきます。

この変化により、説明のばらつきは抑えられ、営業教育や情報共有のあり方も大きく変わっていきます。

まとめ:営業資料が伝わらない本当の原因と、これからの解決策

営業資料が伝わらない原因は、資料の内容やデザインではありません。
本当の原因は、「どう話すか」が設計されていないことにあります。

営業資料を「直し続ける」フェーズから、「伝わる説明を仕組み化する」フェーズへ。

今、営業組織にはその転換が求められています。

営業資料の「伝え方」を仕組み化するという選択

営業資料が伝わらない原因が「説明」にあるとしたら、
次に考えるべきは、その説明をどうやって標準化するかです。

近年では、既存のPowerPointやPDFをもとに、
要点を整理し、**AIがナレーション付きで説明する「話す資料」**として活用する企業も増えています。

人による説明のばらつきを抑え、
営業・教育・情報共有をより効率化したいとお考えの方は、
「説明を仕組みにする」という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

これからも有益な情報をお届けします。お楽しみに!
エージェンテックのミヤザキでした。