こんにちは、エージェンテックのミヤザキです。
営業マネージャーの多くが抱える悩みのひとつに、「部下がやる気を見せない」「こちらの指示に反応が薄い」といった声があります。
しかし、その見え方は本当に“やる気がない”状態なのでしょうか?
部下の視点に立ってみると、上司の言動が無意識のうちにやる気をそいでしまっていることも少なくありません。
本記事では、営業現場でありがちなすれ違いに着目し、部下の本音や心理的なブレーキを掘り下げながら、上司が陥りがちな誤解とその改善策を整理します。
さらに、タイプ別アプローチや信頼関係の築き方も含め、部下の行動が変わる実践的なマネジメントのヒントを紹介していきます。
本当にやる気がないのか?まず疑うべき前提

行動が鈍い、指示への反応が薄いといった外見的な態度をもって「やる気がない」と判断するのは短絡的かもしれません。
多くの場合、部下自身も「やる気はあるのに動けない」状態に置かれていることがあります。
例えば、行動の意味が理解できていない、自信が持てずに第一歩が踏み出せない、あるいは過去の失敗経験から「やっても評価されない」と諦めているケースなど。
こうした背景を理解せずに「やる気がない」と決めつけると、信頼関係の構築は困難になります。
部下の“やる気の出方”は人それぞれであることを前提に、上司側が“やる気の見えにくさ”に対する視点を養うことが第一歩です。
部下の“やる気”を削ぐ上司の勘違い5選
「背中を見て学べ」は伝わっていない
かつては効果的だった「見て学べ」は、情報や選択肢があふれる現代においてはあまり機能しません。
部下は「なぜそう動いたのか」「何に注意したのか」を理解することで初めて再現性を持って行動できます。
言語化せずに放置すれば、部下は何をどう真似すればいいか分からず、やる気を失ってしまうことも。

結果だけを求めてプロセスを見ていない
成果主義が重視される営業において、結果へのプレッシャーが強すぎると、プロセスでの努力が正当に評価されません。
たとえ結果に結びつかなくても、仮説を立て、実行し、反省して改善するという“考えて動く姿勢”を見て評価する文化が、やる気を維持するカギになります。
「昔はこうだった」型の押し付けマネジメント
過去の成功体験をもとに「自分の時はこうしていた」と語るのは、上司の常とう手段になりがちです。
しかし、それが現代の部下にとって適切とは限りません。価値観も働き方も変わった今、自分の過去ではなく、今の部下の現実に合わせた柔軟な対応が求められています。
指示が抽象的すぎて理解されていない
「もっと頑張れ」「提案力を高めて」などの抽象的な表現では、部下はどのように行動すべきか分かりません。具体的な行動に落とし込んで示す、または例を交えて伝えることで、実行に移すハードルを下げることができます。
成功パターンを共有していない
優秀な営業ほど自分のやり方を無意識に実践しているため、それを他人に伝えることに慣れていません。
しかし、チーム全体での成長を考えるなら、成功体験を分解して言語化し、共有する仕組みが不可欠です。「なぜうまくいったか」を説明できる人が、チームを伸ばすリーダーになれます。
部下の本音|実はこう思っている
「やってみたいけど、やり方がわからない」

指示を受けても、その目的や手順が曖昧なままでは行動に移せません。
とくに経験の浅い部下にとって、何から始めればいいのか」が明確であるかどうかがやる気を大きく左右します。
「チャレンジしても評価されない」
意欲的に挑戦したにもかかわらず、上司から無反応だった経験は、次の行動意欲を著しく損ないます。
成果だけでなく、その過程や試み自体を承認するフィードバックが不可欠です。
「質問しづらい」「怒られたくない」
「こんなこと聞いたら怒られるかも…」という不安を抱えている部下は多いです。
上司にとっては些細な指摘でも、部下には萎縮の原因になります。質問を歓迎し、相談を“肯定的に受け入れる”姿勢を見せることで、関係性が改善します。
やる気を引き出すコミュニケーションのポイント
「何が不安か」を聞き出す対話力
問題の本質を見誤らないためにも、どうしてできないのか」ではなく「どこで迷っている?」「何が気がかり?」といった質問で、部下の内面を引き出すことが重要です。
答えを急がず、話を“聞き切る”姿勢が信頼関係を築きます。

行動の“意図”を理解するフィードバック
「なぜその行動を選んだのか」「どう考えたのか」を確認することで、部下の判断や努力を尊重する姿勢を伝えることができます。
結果よりも“考え方”に注目したフィードバックは、主体性を育む土壌になります。
成果ではなく“変化”を承認する習慣
「以前より話し方が分かりやすくなった」「初回訪問数が安定してきた」など、具体的な変化に目を向けて承認することで、部下は成長を実感し、やる気を継続しやすくなります。
上司自身が変わることで部下は動き出す
マネジメントで最も大きな影響を及ぼすのは、上司自身の“あり方”です。
管理しようとするのではなく、部下とともに考え、信頼を前提にした関わりを実践することで、部下の自発性は高まります。
信頼を築く上司は、命令ではなく質問を通じて部下の考えを引き出します。
そして、結果に一喜一憂するのではなく、継続的な学びと改善に目を向ける姿勢を持っています。
部下を動かしたいなら、まずは自分の姿勢から変えることが必要です。
部下のタイプ別に見る“やる気の引き出し方”
部下の性格傾向や成長段階によって、適切な関わり方は異なります。全員に同じ対応をしてもうまくいかないのは当然のこと。
ここでは、4つのタイプ別に効果的な関わり方を紹介します。
慎重派タイプには「安心感」を与える

失敗を極端に恐れる慎重派には、段階的な説明や「まずはここまでやってみよう」というスモールステップが効果的です。
加えて、「万が一うまくいかなくても一緒に考えるよ」というフォローが、行動の後押しになります。
自信過剰タイプには「客観的な振り返り」を促す
やや突っ走りがちなタイプには、「他にどんなやり方があったと思う?」「顧客はどう感じたか?」など、視点を増やす質問が有効です。
否定するのではなく、視野を広げさせる意図を明確に伝えましょう。
主体性のあるタイプには「任せて見守る」
干渉されすぎると力を発揮しにくいタイプには、信頼を前提に「この範囲はあなたに任せるね」と伝えることでやる気が引き出されます。
定期的なチェックインだけで十分な場合も多いです。
成長意欲が強いタイプには「明確な目標と挑戦」
「もっと上を目指したい」というタイプには、達成感を得られるような高めの目標設定と、その過程での細やかなフィードバックが有効です。
期待を言葉にして伝えることが、行動を加速させます。
まとめ:やる気は“ある前提”で向き合おう

部下に“やる気がない”と感じたとき、それは“見えにくくなっている”だけかもしれません。
まずは決めつけを捨て、対話を通じて内側にある意欲にアクセスすること。
そして、やる気を引き出すよりも「やる気を失わせない関わり方」を習慣化することが、結果的に強い営業組織を育てる土台となります。
上司の問いかけと関わり方ひとつで、部下の行動は必ず変わります。
その一歩を今日から踏み出してみてはいかがでしょうか。
弊社では、製品やサービスの資料をもとに音声で自己学習し、理解度テストができるサービス「AI Shorts」を提供しております。業務に不安を感じている若手メンバーの教育にご活用いただけます。
ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご覧ください。

今後も有益な情報をお届けします。お楽しみに!
エージェンテックのミヤザキでした。