成果につながる営業課題の見つけ方|数字だけでは見えない“本当の改善ポイント”とは?

「商談数も、行動量も足りているのに成果が出ない」「チームに元気はあるのに、なぜか数字が伸びない」——営業マネージャーとして、こんなモヤモヤを感じたことはありませんか?

営業成績が伸び悩むとき、つい数字ばかりに目がいきがちですが、本当の課題は“その奥”にあることが少なくありません。

本記事では、数字だけでは見えにくい営業課題をどのように発見し、言語化し、改善につなげるかを、8つの視点から解説します。属人化した営業育成や、チームの底上げに悩むマネージャーの方にとって、具体的なヒントが見つかるはずです。

営業課題は“数字の裏側”に隠れている

営業KPIだけで判断していないか?

営業マネージャーであれば、「アポ数」「受注率」「売上」などの数字を追うのは当然の役割です。
しかし、数字は“結果”であって“原因”ではありません。たとえば、商談数が少ないからといって、それが必ずしも課題の本質とは限らないのです。

営業KPIは、表面的な成果を捉える指標でありながら、その裏にある“行動”や“プロセスの質”を見落としがちです。たとえば以下のようなKPIも組み合わせて見ることで、課題の正体に近づけます。

  • 初回接触から提案までのリードタイム
  • 商談のフェーズ移行率(例:ヒアリング→提案に進んだ割合)
  • 案件の進捗滞留率(同じステータスに〇日以上とどまっている割合)
  • 一人あたりの案件保有数や商談中の平均単価

こうした複合的なKPIの変化から、営業プロセスのどこに摩擦が生じているかを読み解く視点を持つことが、真の課題発見につながります。

“行動の質”と“結果”のズレをどう読み解くか

成果が出ないチームには、行動量は足りているのに「なぜか伸びない」メンバーがいるものです。こうしたとき、数字では見えない「ヒアリングの深さ」「提案の切り口」など、“行動の質”に目を向けることが、真の課題発見につながります。

営業課題が“見えないまま放置”されてしまう理由

「感覚」と「実態」がズレている現場の危うさ

「がんばってるのに結果が出ない」「たぶん〇〇が原因だと思う」——感覚に頼った会話では、問題が曖昧なまま放置されてしまいます。

特に属人的な営業組織では、“見えない努力”が課題の可視化を妨げてしまうのです。

結果だけを追って、原因が掘り下げられていない

受注率が落ちた、アポが減った——このとき、「何がそうさせているのか?」を深掘りせず、行動を変えようとしても改善は長続きしません。課題の“構造”を言語化できるチームであるかどうかが、営業組織の強さを左右します。

営業課題を発見するための3つの視点

KPI+ヒアリング・提案・クロージングの“質”を見る

成果を左右するのは、行動の“数”ではなく“中身”です。

訪問件数や電話数ではなく、ヒアリングの深さ、提案の切り口、クロージングでの巻き方などを振り返ることで、真のボトルネックが見えてきます。

商談プロセスをフェーズで分解する

「アポ→ヒアリング→提案→クロージング→受注」という流れを、フェーズごとに細分化することで、どこでつまずいているのかが明確になります。
たとえば、ヒアリングから提案にうまく移行できていないなら、“商談の切り返し”に課題があるかもしれません。

問題の“見える化・言語化”が起点になる

課題を共有するには、メンバー間で共通言語が必要です。
「うまくいかなかった」「印象が悪かった」ではなく、「〇〇が聞けていない」「▢ ▢という断り文句への返しが弱かった」など、行動レベルで言語化することが重要です。

よくある“取り違え”と、実は違った本当の課題

商談数が少ない→ターゲット設定のミス

「もっと商談を増やせ」と指示していたが、実はアプローチ先のターゲティングがズレていて、打ち手が空振りしていたパターン。
成果の出ない努力は、モチベーション低下にもつながります。

トークが弱い→ヒアリング項目が浅い

“話し方”ではなく“聞き方”に課題があるケースも多いです。
話す内容は完璧でも、相手の課題感が引き出せていないと提案が刺さらず、空回りに終わります。

フォローできていない→管理基準が曖昧

「案件を追えていない」と思っていたら、そもそも案件ステータスの定義が統一されておらず、誰がどう対応すべきか曖昧になっていたということも。
プロセス管理の粒度を揃えることも重要です。

営業チームで課題を“共有・可視化”するには?

課題を話し合う“場”と“視点”を持つ

課題を共有するには、定例の1on1や朝会、週次会議など、目的の明確な「振り返りの場」を設けることが大前提です。

話すテーマを「今週一番困った商談」「言葉に詰まった質問」などに限定するのも効果的です。

メモ・動画・定例化で可視化する

議論した内容は、必ず記録として残すこと。
議事録や共有ドキュメントだけでなく、ロープレ動画を記録・再利用することで、組織内で“見える化された気づき”が増えていきます。

属人化しない記録の仕組みをつくる

「Aさんの話は参考になるけど、いないと共有されない」状態は、チームの成長を止めてしまいます。
トーク例、FAQ、商談の分岐などをフォーマット化・テンプレ化して、誰でも使える状態にすることが鍵です。

課題発見からアクションにつなげるには?

“小さな仮説”と“早い実行”を意識する

課題に対する仮説は、完璧でなくて構いません。
週単位で「こんな言い方を試す」「この業界だけテンプレを変える」など、小さく始めることで、現場の変化も早くなります。

毎週見直す「改善サイクル」の型を持つ

振り返りと改善は「思いついたときにやる」ものではなく、仕組みにすることが重要です。
「週初に目標」「週末に実行→振り返り」など、型があるだけで継続率が上がります。

成功パターンも同じように再現可能にする

たとえば、ある営業メンバーがある業界の提案で高い受注率を出していたとします。
ヒアリング時の質問の切り口が秀逸で、提案資料も業界に合わせたカスタマイズがされていた、という特徴が見えてきたとき、それが他のメンバーにも再現できれば組織全体の成果は大きく変わります。

課題ばかりに目を向けるのではなく、「うまくいった要因」を再現できるようにする視点も大切です。「なぜ決まったのか?」を深掘りすることで、成功確率を上げるアクションが見えてきます。

営業課題を発見できる組織になるには?

管理者の“問いかけ力”が課題の質を決める

「なぜ?」「どうして?」と問いかけるだけでなく、「どこで詰まった?」「相手は何に困っていた?」といった“行動を掘り下げる問い”が、良い課題発見につながります。

現場メンバーに「自分で気づく」視点を育てる

常に「なぜうまくいかなかったか」「何がズレていたのか」を自分で考えるクセを持たせると、メンバーの自律性が高まります。課題発見力を現場に持たせることで、マネージャーの負担も軽くなります。

感覚×データで判断する習慣を持つ

メンバーの「手応え」「感覚」だけで判断せず、数字や記録とあわせて多角的に見るクセをチームで育てましょう。たとえば週次レビューの場で、「打率が低いと感じる業界」を話題にしながら、実際の受注率やフェーズ移行率などのKPIを照らし合わせることで、感覚と現実のズレを確認できます。

このように、感覚とデータをセットで扱う仕組みをチーム内に根づかせることで、思い込みや誤判断を避け、より再現性の高い改善行動につながります。

まとめ

営業課題は、ただ「数字が悪い」だけでは見えてこないものです。真の課題は、商談の質や行動の背景、考え方のズレに隠れています。

本当の改善を進めるには、課題を“構造で見る力”と、それをチームで“言語化・共有・仕組み化”していく体制が必要です。

まずは目の前の商談から、小さな違和感を拾うことから始めてみてください。あなたのチームが“課題を見つけられる組織”に変われば、成果は必ずついてきます。

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エージェンテックのミヤザキでした。