営業担当者の仕事において、提案書ほど成果を左右するものはありません。どれだけ優れた商品やサービスを扱っていても、その価値を正しく伝えられなければ、受注には至りません。
しかし現実には、多くの営業担当者が提案書作成に苦戦しています。膨大な時間をかけて作成しても、思うような成果につながらない。何をどう改善すればいいのかわからない——こうした状況に陥っていませんか?
本記事では、成果を出す提案書を効率的に作成するためのフレームワークと、さらに一歩進んだ「動画プレゼンテーション」という新しいアプローチをご紹介します。

営業企画書・提案書が抱える3つの課題
課題1:作成に膨大な時間がかかる
優れた提案書を作るには、顧客調査、課題分析、ソリューション設計、資料作成と、多くの工程が必要です。一つの提案書に数日かかることも珍しくありません。
しかし、営業担当者には他にも多くの業務があります。商談、フォローアップ、社内調整——提案書作成だけに時間を割くわけにはいきません。
時間をかけすぎれば、タイミングを逃します。急いで作れば、質が落ちます。このジレンマが、多くの営業を悩ませています。
課題2:説得力のある構成が作れない
「何を」「どの順番で」伝えるかは、提案書の説得力を大きく左右します。しかし、体系的な構成方法を学んだことのある営業担当者は意外と少ないのです。
結果として、自社製品の機能説明ばかりが並ぶ「カタログの焼き直し」のような提案書になってしまいます。顧客の課題解決という本質が抜け落ちているのです。
課題3:相手に伝わらない・読まれない
どれだけ時間をかけて作っても、相手に読まれなければ意味がありません。しかし現代のビジネスパーソンは多忙です。分厚い提案書を隅々まで読む時間はありません。
文字だけの資料では、重要なポイントが埋もれてしまいます。複数の関係者に情報を共有する際も、ニュアンスが正確に伝わらないリスクがあります。

成果を出す提案書の必須フレームワーク
課題解決の第一歩は、実証済みのフレームワークを活用することです。ゼロから考えるのではなく、効果的な「型」を使えば、効率も質も向上します。
FABE分析で価値を明確に伝える
FABE分析は、製品・サービスの価値を顧客視点で整理するフレームワークです。
- Feature(特徴):製品の機能やスペック
- Advantage(利点):その特徴が持つ優位性
- Benefit(便益):顧客が得られる具体的なメリット
- Evidence(証拠):それを裏付けるデータや事例
例えば:
- Feature:「クラウド型のシステムです」
- Advantage:「サーバー管理が不要になります」
- Benefit:「IT担当者の工数を月20時間削減できます」
- Evidence:「A社では導入後、運用コストが30%削減されました」
3C分析を提案書に落とし込む
3C分析(Customer / Competitor / Company)は、マーケティングの基本フレームワークですが、提案書作成にも有効です。
- Customer(顧客):顧客の現状、課題、ニーズを整理する
- Competitor(競合):競合他社の提案と比較した自社の優位性を示す
- Company(自社):自社の強みと、顧客への提供価値を明確にする
この3つの視点を押さえることで、「なぜ今、あなたの会社が、私たちを選ぶべきなのか」という問いに、説得力を持って答えられます。
BANT条件で提案の現実性を担保する
BANT条件は、案件の確度を測る指標ですが、提案書の構成にも活用できます。
- Budget(予算):予算に見合った提案内容か
- Authority(決裁権):誰が意思決定するのか、その人が重視する点は何か
- Needs(必要性):課題の緊急度と重要度
- Timeframe(導入時期):いつまでに解決すべきか
これらを提案書に反映させることで、「絵に描いた餅」ではなく、実行可能な提案として受け止められます。
BANTについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
提案書作成の実践ステップ
フレームワークを理解したら、実際の作成プロセスに落とし込みましょう。
ステップ1:徹底的な顧客理解
提案書作成の前に、まず顧客を深く理解することが不可欠です。ヒアリングで得た情報を整理し、顧客の業界動向、競合状況、組織構造なども調査しましょう。

表面的なニーズだけでなく、その背後にある本質的な課題を見抜くことが重要です。
「この顧客は何に困っていて、何を実現したいのか」「その課題を解決できなければ、どんな影響があるのか」——これが明確でなければ、説得力のある提案は作れません。
顧客の立場に立って考えることで、真に求められる提案の方向性が見えてきます。
ステップ2:フレームワークで骨子を構成
提案書の基本構成を、フレームワークに沿って組み立てます。
- 現状分析(3C分析):顧客の現状と課題を整理
- 課題の深掘り:課題を放置した場合の影響を明示
- 解決策の提示(FABE分析):自社ソリューションの価値を具体的に説明
- 実現可能性(BANT条件):予算・スケジュール・導入体制を明確に
- 次のアクション:具体的なネクストステップを提示
この骨子があれば、ブレのない一貫した提案書が作れます。各要素が論理的につながり、「なぜ今、あなたの会社が、私たちを選ぶべきなのか」という問いに明確に答えられる構成になります。
ステップ3:視覚的にわかりやすく仕上げる
内容が固まったら、視覚的な工夫を加えます。

読みやすさは、提案書の説得力を大きく左右します。どれだけ優れた内容でも、読みにくければ相手に伝わりません。視覚的にわかりやすい資料を心がけましょう。
次世代の提案方法:動画プレゼンテーションの可能性
ここまで、紙(スライド)の提案書を前提に話を進めてきました。しかし、提案方法はそれだけではありません。
動画が持つ圧倒的な訴求力
動画には、紙の資料にはない強みがあります。
- 視覚と聴覚に同時に訴える
文字を読むより、映像とナレーションで伝えた方が、情報の定着率が高まります。 - 感情に訴えかける
音声のトーンや映像の演出で、提案に込めた熱意や誠実さを伝えられます。 - 複雑な内容をわかりやすく
動きのあるアニメーションや画面遷移で、複雑なプロセスや仕組みを直感的に理解させられます。 - 共有しやすい
URLを送るだけで、社内の複数の関係者に同じ内容を正確に伝えられます。
動画提案の課題:制作の難しさ
「それなら動画で提案すればいい」と思うかもしれませんが、そこには大きなハードルがあります。
従来、動画制作には専門的なスキルが必要でした。編集ソフトの使い方を覚え、ナレーションを録音し、映像を編集する——営業担当者が片手間でできる作業ではありません。 外注すれば、コストと時間がかかります。1本の動画に数十万円、納品まで数週間——これでは、機動的な営業活動には向きません。
この「動画は効果的だが、作るのが大変」というジレンマを解決する方法があります。
AI Shortsで提案書を動画化する
当社のAIツール「AI Shorts」は、既存の提案資料をアップロードするだけで、ナレーション付きのプレゼンテーション動画を自動生成するサービスです。
こんなに簡単に動画が作れる
使い方は非常にシンプルです。
- ファイルをアップロード
PowerPointやPDFなど、既存の提案資料をそのまま使えます - AIが台本を自動生成
各スライドの内容を解析し、ナレーション用の台本を作成します - 音声生成と動画化
お好みのナレーターを選べば、自動で音声が生成され、スライドショー動画が完成します
専門知識は一切不要です。既存の資料があれば、数分で動画プレゼンテーションが完成します。
営業活動での具体的な活用シーン
- 多言語対応
10カ国以上の言語に対応しているため、海外顧客への提案も容易です。 - 効果測定
視聴回数や視聴時間を測定できるため、「誰がどこまで見たか」がわかります。興味度合いを把握し、次のアクションに活かせます。 - 編集機能
自動生成された台本は編集できるため、細かなニュアンス調整も可能です。 - コスト削減
外注すれば数十万円かかる動画制作が、社内で完結します。制作コストを大幅に削減できます。
提案書や企画書を数分でナレーション付き動画に変換できる「AI Shorts」の詳細は、こちらからご確認ください。

AI Shorts 製品ページはこちら
まとめ:フレームワーク×動画化で営業力を最大化
優れた提案書を作るには、まず「型」を身につけることが重要です。FABE分析、3C分析、BANT条件——これらのフレームワークを使えば、説得力のある提案が効率的に作れます。
そして次のステップは、その提案をより効果的に届ける方法を考えることです。動画プレゼンテーションは、その有力な選択肢の一つです。
AI Shortsを活用すれば、既存の提案資料を数分で動画化できます。専門知識も外注費も不要です。
- 次の提案書は、FABE分析で構成を組み立ててみる——顧客視点の価値提案を
- 既存の提案資料を一つ選び、動画化してみる——新しい提案スタイルを体験
- 動画提案の効果を測定する——視聴データから顧客の関心を分析
フレームワークで提案の質を高め、動画で伝達力を最大化する——この両輪があれば、あなたの営業活動は必ず次のステージに進みます。


