SaaS市場は近年急速に拡大しており、DX推進も追い風となって将来的にも成長が期待されていることから、「SaaS営業」の求人は非常に人気があり、業界動向サイトのデータにおける年収も高い傾向となっています。
本記事では、SaaS営業の主な役割や必要なスキル、そしてこのキャリアがどのような人に向いているのかを掘り下げていきます。
SaaS営業の役割と責任
インサイドセールス:見込み客の発掘とアポイントの設定
インサイドセールスはオフィスベースでの作業が中心で、潜在顧客を見つけ出し、関連するデータを分析して効果的なアポイントメントの機会を設定します。これには、高度なコミュニケーションスキルと粘り強いフォローアップが必要になります。
インサイドセールスに必要なスキル
コミュニケーションスキル: 明確で効果的なコミュニケーションを取る能力は、顧客との関係を築き、ニーズを理解し、解決策を提案するために必須です。
リスニングスキル: 顧客の話を注意深く聞き、そのニーズや懸念を正確に把握することが求められます。
問題解決能力: 顧客の問題や課題を理解し、適切な解決策を提供する能力が求められます。
CRMとデータ管理のスキル: 顧客関係管理(CRM)ツールを活用して、顧客データを効率的に管理し、追跡する能力が重要です。
セールスプロセスの理解: 売上のプロセス、テクニック、戦略に精通している必要があります。
インサイドセールスの性格特性
自己主導性: インサイドセールスはオフィスベースの役割が多く、自分でタスクを管理し、積極的に行動する必要があります。
忍耐力と柔軟性: 拒否を経験することも多く、それに対してポジティブな態度を保ち続けることが重要です。
好奇心: 新しい製品知識や市場のトレンドを学び続ける意欲が求められます。
チームワーク: 他のセールススタッフや部門と協力して効果的に働くことが求められます。
これらのスキルと性格特性は、顧客との信頼関係を築き、売上を伸ばし、成功へと導くために非常に重要です。
フィールドセールス:直接訪問による提案とクロージング
フィールドセールスは、インサイドセールスからのリードを受けて顧客を直接訪問します。顧客のニーズに基づいて具体的な提案を行い、契約に至るまでのプロセスを管理することです。このためには、優れた交渉スキルとプレゼンテーション技術が求められます。
フィールドセールスに必要なスキル
対面コミュニケーションスキル: フィールドセールスは直接顧客と対話する機会が多いため、効果的なプレゼンテーション技術と説得力が必要です。
時間管理能力: 効率的なスケジュール管理と時間の優先順位付けが求められ、多くの顧客を訪問するためのルートを計画する必要があります。
交渉スキル: 顧客との直接的なやり取りが多いため、交渉を有利に進める技術が重要です。
市場調査能力: 競合他社の動向や市場のトレンドを理解し、それをセールス戦略に活かす能力が求められます。
製品知識: 製品の詳細な知識を持ち、顧客の質問に正確に答えられることが必須です。
フィールドセールスの性格特性
適応性と柔軟性: 様々な顧客や状況に適応し、変化に柔軟に対応することが求められます。
持久力: 長時間の移動や連日の訪問が求められるため、体力と精神力の両方が必要です。
自立性と自己主導性: 多くの時間を単独で過ごし、自分自身で日々の活動を管理する能力が必要です。
リーダーシップ: しばしば、フィールドセールスはチームや他部門との協力を必要とするため、リーダーシップが求められます。
ポジティブなマインドセット: 拒否されることが多い職業であるため、挫折に対してもポジティブに取り組む姿勢が重要です。
カスタマーサクセス:顧客の成功支援と継続的な関係構築
カスタマーサクセスは顧客が製品やサービスを効果的に使用し続けることを支援します。顧客の問題を予測し、解決策を提供することで、顧客満足度を高め、リピート購入やアップセルの機会を創出します。
カスタマーサクセスに必要なスキル
コミュニケーションスキル: 顧客との効果的なコミュニケーションを保つために、明確で分かりやすいコミュニケーションスキルが必須です。
リスニングスキル: 顧客の言葉を注意深く聞き、そのニーズや問題を正確に理解する能力が求められます。
問題解決能力: 顧客の課題に対して創造的かつ効率的な解決策を提供する能力が必要です。
顧客関係管理(CRM)スキル: 顧客情報を管理し、各顧客に合わせたパーソナライズされた対応を行うためのスキルが求められます。
プロジェクト管理能力: 複数の顧客とのやり取りを効率的に管理し、タスクを正確に進行させる能力が重要です。
カスタマーサクセスの性格特性
顧客志向性: 顧客の成功を自分の成功と捉えることができる姿勢が求められます。
忍耐力: 顧客の問題や不満に対応する際、冷静かつプロフェッショナルに対処する忍耐が必要です。
適応性: 顧客のニーズや市場の変化に柔軟に対応する能力が求められます。
協調性: チームメンバーや他の部門と効果的に連携し、顧客のための解決策を共同で作り上げることができることが重要です。
ポジティブなマインドセット: 複雑な問題や困難な状況にも前向きに取り組む姿勢が求められます。
SaaS営業に求められるスキル
セールスとマーケティングの連携
効果的なセールス戦略を遂行するためには、マーケティングチームとの密接な連携が必須です。マーケティングが生成したリードをもとに、セールスチームがその潜在顧客に適切なアプローチを行います。
データ駆動型の営業戦略の実施
データを利用して市場の動向を理解し、戦略を調整する能力が求められます。データ分析を通じて、より効率的なセールスプロセスを構築し、成果を最大化する必要があります。
営業プロセスモデル「THE MODEL」の活用
THE MODELとは、セールスフォース社で実践されているBtoBマーケティングや営業活動プロセスに関する分業体制です。プロセスはマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、そして顧客化してからのカスタマーサクセスに分かれていて、各プロセスごとの権限とKPIを設計し、部門の枠を越えて連携することによって営業効率の向上や売上増大に繋げます。
かつての営業プロセスは「商談」「クロージング」「サポート」まで1人の担当者が行ってきました。しかしこれでは、その担当者がいなくなった時に誰も対応できなくなってしまうという懸念がありました。いわゆる業務の属人化です。
一方、THE MODELは分業体制がベースとなります。マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールス、さらにカスタマーサクセスまでを分業化し、ITツールを上手に使い、各部署ごとに情報共有しながら営業活動を進める方法です。
SaaS営業のやりがいと挑戦
高いレベルの顧客対応と課題解決
SaaS営業は顧客と密接に関わりながら、そのニーズに合ったソリューションを提供します。顧客の課題を解決する過程で、専門的な知識を活かし、顧客にとって価値ある提案を行います。この過程は、深い満足感とプロフェッショナルスキルの向上をもたらします。
スタートアップと大手企業での営業スタイルの違い
スタートアップでは、リソースが限られているため、革新的でフレキシブルな営業戦略が求められます。一方、大手企業では、既存の顧客ベースとリソースを活かした大規模な営業活動が行われます。この両者の環境の違いは、営業スタイルだけでなく、個々のキャリア形成にも影響を及ぼします。
ニーズのないものを売るという挑戦
新製品や新サービスを市場に導入する際、最初は顕著な市場のニーズが存在しないこともあります。このような状況下で、未知の製品を顧客に理解し、受け入れてもらうためには、創造的な思考と教育的なアプローチが必要とされます。このプロセスは困難を伴いますが、市場に新しい動きを作り出す大きな達成感を得ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事を通じて、SaaS営業の深い理解とともに、それに伴う多くのやりがいと直面するであろう挑戦についても紹介しました。SaaS営業というキャリアが自身の向き不向き、興味やスキルにどう適合するかを考えるための一助となれば幸いです。
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